伊東版 2018年01月31日
■住民合意など条件も
伊東市の小野達也市長は30日の定例記者会見で、同市八幡野で建設が計画されている「伊豆高原メガソーラーパーク発電所(仮称)」の宅地造成等規制法の審査状況について説明し、「あと数週間で許可を出さざるを得ない」との見通しを語った。技術的な審査を終え、図面や計算書の修正を残すだけとし、その後は庁内での稟議(りんぎ)に移るという。
一方で、小野市長は多くの住民が反対する現状を踏まえ「行政手続きが終わっても全てが終わった訳ではない」とし、業者側に住民合意や災害対策、引き続き住民の意見を聞いていく−などの条件を付けていく、とも述べた。
小野市長はまた「住民と事業者との説明会の設定や国、県への働き掛けなど、市ができることは全てやっている」としながらも、「(建設には)地元の合意が第一で、反対の意思は変わっていない。だが、行政手続きは進めなければならない」と苦しい心中を明かした。
■市条例案に意見196件
伊東市が大規模太陽光発電所(メガソーラー)設置規制の在り方をまとめ、市議会3月定例会に提出する「美しい景観等と太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例案」への意見公募に対し、24人から196件の意見が寄せられた。30日の定例記者会見で、小野達也市長が明らかにした。
小野市長によると、公募期間は12月25日~1月24日。条例の趣旨や概要、市長同意についてのほか、条例案を可決と同時に施行するよう求める意見もあったという。市は意見を早急に取りまとめ、ホームページで公開するほか、条例案にどう反映させていくか検討していく。
市がまとめた条例案は市内全域を抑制区域に指定し、事業者は事前に周辺住民、設置により影響が懸念される農林水産業者らへの説明会を実施し、市長の同意を必要とする。太陽光パネル設置面積が国が大規模として取り扱う1万2千平方メートル超の事業は市長が同意しない−などの内容。