• 伊東市新図書館「第三の居場所 未来へ投資」市長が建設に懸ける思い

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    2023 年 7 月 26 日

    伊東市が桜木町の伊東マンダリン岡本ホテル跡地へ建設予定の新図書館について、小野達也市長が伊豆新聞単独インタビューに応じた。計画に丸6年間を費やす事業だが、反対の立場で署名や請願が相次ぐ。新図書館建設に懸ける思いを語った。

    「読書以外でも気軽に」

    -なぜ今、図書館を造るのか。

    市民アンケートの建て替えが必要な施設で図書館は上位。各地区や専門家、若者対象の会議で丁寧に意見を聞き進めてきた。

    -新図書館は蔵書数が1.5倍に増え大規模化する。

    図書館は町の文化力を示す指標。従来は蔵書も面積も足りず、国の基準なら町レベル。市民憲章1番は「文化を高め教養を豊かにしましょう」。私は丸6年産業に注力したが形に残らない。文化と教育は未来に残る投資だ。

    -文化と教育への思いは。

    今まで市政で欠け過ぎていた。観光会館は古く、図書館は雨漏り。やるべき時期にやらなかった。市民の向上心で多くの文化が残ったが、市は積極的に応援したように思えない。新図書館で子どもが勉強して上級校へ行き、伊東で起業し、家族をつくれるようしたい。

    -新図書館は機能が大きく変わる。

    第三の拠点、自宅ではない市民の居場所だ。名目は図書館だが読書以外の目的で来ていい。110台の駐車場で待ち合わせし、カフェで食事し、目を閉じ休む、涼むのもいい。

    -新図書館の市政全体への影響は。

    伊東はテレワークなどで若い移住者が増えた。図書館が拍車を掛け、長泉町のように若者が集まりうる。

    -反対運動が一部で起きている。

    事業は広報や新聞に載り、計画づくりに市民も参加した。今になり「誰が決めた、偉い人が決めたの」と言われるがみんなで決めてきた。

    -緑の多いデザインの理由は。

    県立中央図書館の設計案とそっくりでまねされたかな(苦笑)。時代に応じ脱炭素などを盛り込んだ。

    -観光会館建て替えを先行すべきだという意見もあるが。

    文化ホールは相当の面積が必要。図書館は適地があり、各種会議の意見を踏まえ図書館の先行を決めた。