変わるもの、変わらぬもの—伊豆新聞「伊豆路」より転載—
  • 変わるもの、変わらぬもの

    天皇陛下の譲位により元号が「平成」から「令和」へと変わります。西暦とは違い、元号により歴史上の時代をいくつも語り続け、節目としてきた日本の伝統文化に誇りを感じます。今上天皇陛下・皇后陛下におかれましては、どんな時にも国民に心を寄せられ、象徴としてのお務めを続けていただいたことを、国民の皆さまとともに心から感謝を申し上げたいと思います。
    首相は元号発表後の談話で「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせるこことができる、そうした日本でありたいとの願いを込め」と語りました。三十年余の時を凝縮できませんが、平成時代を思い起こすと、人災や天災などが多く、国際的なテロやエネルギー政策・安全保障の変化など想定していないさまざまなことが発生しました。
    社会構造としては少子高齢化などで医療・介護は急速に進歩、社会保障制度も大きく変化。情報通信技術においては、インターネットの普及によりグローバリゼーションが進み、雇用・物流は画期的な成長を続けています。生活者としては、平成元年に消費税が導入された結果、私たちの直接納税への意識が変化をしました。経済成長を続けた昭和からバブル崩壊など経済が大きく変化を重ねた平成時代は、成長期から円熟期への転換とも受け止められます。
    伊豆地域では平成初期から30年間で地域の成り立ちも大きく変化をしました。変わらないことは、観光を主たる柱として「まちづくり」に期待を寄せていること。伊豆に住まわれる多くの方が「シビックプライド」を持ち、新しい時代を迎える今、夢と希望を持たれていると感じます。伊豆の歴史・文化や自然など守るべきものと、時代を先読みし変えるべきものとをオール伊豆で考え、実践したいと思います。